学級崩壊が起きたら誰の責任なのでしょうか?
実は、学級崩壊を起こしやすい担任の先生は結構います。
学級崩壊を起こしてしまったら、担任の自力での修復はまず不可能です。
学級崩壊を起こしやすい担任っているの?
主任という立場上、他の学級を見て回ることが多く、これまで学級崩壊をしているのではないかという学級もありました。
この記事では、こんな疑問に答えます。
これまで僕は教員として10年以上学校で働いてきましたが、学級崩壊が起こしてしまう担任の先生は結構みえます。
では、「学級崩壊が起きたら誰の責任なのか?」「どんな担任の先生が学級崩壊を起こしやすいのか」について解説していきます。
学級崩壊を起こす担任の先生について知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
学級崩壊の担任の責任について<残念ながら担任の責任です>
担任は学級にいる唯一の大人です。子ども相手に大人がどう立ち振る舞うかで学級の雰囲気が変わります。
もし、学級崩壊を起こしてしまったら、学級にいる唯一の大人に責任があると考えられます。
しかし、学級崩壊が起こるすべての原因が担任にあるとは言えません。
担任がどんなに頑張っても学級崩壊が起きてしまうことはあります。
学級崩壊の原因はいくつもの原因が重なっていることが多く、一概に担任だけが原因ではないのです。
- 学級崩壊は担任の責任となる
- 学級崩壊は担任の責任となるが賠償は全くない
- 学級担任を任せたという人事配置を考えた管理職の責任もある
- 学級崩壊が起きる原因はいくつも挙げられる
学級崩壊が起きてしまうと、担任は“学級がうまくいっていない担任”とレッテルを貼られたように感じます。
しかし、あくまで責任を感じるという精神的な負担だけとなり、学級崩壊した担任の給与やボーナスが下がることはありません。
教員は公務員なので年功序列に給与が昇進していますが、学級崩壊を起こした担任もきちんと昇進していきます。
もちろん、学級崩壊した先生に担任を任せた校長などの管理職も責任はあるといえます。
また、学級崩壊はある日突然起きるのではなく、子どもたちが段階的に学級の規律を崩していきます。
学級崩壊が起きる原因は担任だけでなく、子ども同士の人間関係、生活習慣、学習習慣、家庭環境、保護者などいくつもの要因が考えられるので、すべて担任の力量が原因というわけではありません。
- 担任の力量不足
- 担任と子どもの人間性が合わない
- 子ども同士の人間関係がぎくしゃくしている
- 子どもの生活習慣が乱れている
- 子どもの学習習慣が乱れている
- 家庭環境に心配な子がいる
- クレーマー保護者の存在
- 前年度の担任との不信
- 子どもの学校への不信
- 発達障害のある子が学級を乱す
場合によっては、学級担任の力量でなんとか学級崩壊を防ぐケースもありますが、いろんな学級があるので、誰が担任をしても学級崩壊してしまうという学級もあります。
学級崩壊を起こす担任3パターンとは
学級崩壊を起こしやすい担任3パターンはこちら。
- 勉強不足のベテラン先生
- 管理職を終えて再雇用となった先生
- 経験の浅い先生
いろんな学級を回っていると「あれ?これって学級崩壊かな」と思うことがあります。
もちろん、担任の先生は頑張っているのですが、担任の指示を子どもが全く聞いていなかったり、子どもが担任に反抗したりしている様子がみえるときがあります。
勉強不足のベテラン先生
勤続年数が多い教員の中には、これまでの成功例をもとに指導が単調になる担任の先生がみえます。
指導が単調になるとよくない理由は、学級はその時の流行や子どもの発達段階の変化に合わせることができないからです。
教育現場には、新しい学習方法や授業展開が生み出されています。
これまでの経験だけを頼りに「昔にうまくいったから、今回もこれでいいや」とあまり自分から勉強をしようとしない先生が担任になると、学級崩壊を起こしやすいことがあります。
管理職を終えて再雇用となった先生
教員の主な出世コースは「担任⇒学年主任⇒教務⇒教頭⇒校長」となっています。
教員の中には、校長・教頭の責任の重さから出世コースを外れたいと考える先生もみえます。
教務を十数年続ける先生もみえて、そういった教務が長い先生は職員室の業務が長くなります。
そういった長く教務を終えた先生も、定年を迎えて再雇用となり、担任にもどることがあります。
昔はきちんと学級経営ができた教務の先生でも、10年以上のブランクがあると昔のやり方が通用しなくなり、学級崩壊を起こしやすいことがあります。
経験の浅い先生
初任者の先生は、学校の仕事のことをほとんど分からないまま進めていくことが多いです。
実際に頭で分かっていても、いざ行動してみるとうまくいかない、失敗するといったケースもよくあります。
初任者や経験の浅い先生には、指導教員のようなサポート役の先生もつくことが多いのですが、教員は人手不足ということもあり、指導教員の先生も忙しくサポートの手が回らないことがあります。
周りからうまくサポートを受けられない経験の浅い先生が担任になると、学級崩壊を起こしやすいことがあります。
学級崩壊を起こしやすい担任がいた場合の対処法
学級崩壊を起こしやすい担任がいたとして、すぐに何か問題が起きるわけではありません。
子どもたちとの相性もあるので、「学級崩壊を起こしたことがある先生と聞いていたけど、聞いていたよりも良い先生だった」ということもあります。
まずは落ち着いて、担任の先生と子どもの様子をよく見ていきましょう。
<教員向け>学級崩壊を起こしやすい担任の先生が同じ職場にいるとき
教員をやっていると「あの先生は学級崩壊を起こす先生だから」という噂を聞くことがあります。
しかし、いざ一緒に働いていると長所や得意分野が見つかり、楽しく働けるということもあります。
その先生がうまくいっていないときがあれば、管理職の先生と相談しながら仕事を進めていけば良いでしょう。
- 同僚からのうわさ話を鵜呑みにしない
- 学級崩壊を起こしやすい先生にも長所があることを見抜く
- 困ったら管理職と相談しながら進める
<保護者向け>学級崩壊を起こしやすい先生が担任となったとき
小学校に子どもを通わせていると、ママ友から「〇〇先生は学級崩壊を起こしていたらしいよ」「宿題をあまりみてくれないよ」といった話を聞くことがあります。
しかし、そういったうわさ話を鵜呑みにすることはよくありません。
子どもとその担任のやり取りを観察し、前向きに考えれば、担任の先生の長所が見つかるはずです。
お子さんの様子をよく観察してあげてくださいね。
ただし、くれぐれもお子さんの話だけお鵜吞みにするようなことだけはないようにお気をつけください。
どんなに良い先生でも子どもに誤解を与えてしまうことはあります。
もし、子どもが担任の先生とうまくいっていないことがあれば、担任の先生に直接実態を聞いてみるか、直接聞きづらい場合は校長や教頭など管理職の先生に相談してみましょう。
- ママ友や子どもからのうわさ話を鵜呑みにしない
- 子どもから情報を鵜呑みにしない
- 不明点があれば担任に直接聞くか校長や教頭に相談する
学級崩壊は担任の責任なのか<まとめ>
厳しく言えば、教室の中の唯一の大人である担任は、学級崩壊をしたときに責任があると言えます。
しかし、学級崩壊をしたからといって教員を責めるべきではありません。
しかも、教員の中には子どもたちのために一生懸命頑張られても休職に追い込まれてしまう先生もみえます。
文科省によると、年間5,000人以上の先生が精神疾患により休職しています。
学級や子どもたちにとって、いちばんの不幸は担任の先生が学校に来なくなってしまうことです。
担任の先生が学校に来れなくなると、授業の進度が止まったり、学級のルールがさらに乱れたりします。
学級崩壊を起こしたことがある先生も長所はあります。
担任が笑顔で過ごすことができれば、子どもたちも笑顔で過ごすことができます。
子どもも担任もお互いに笑顔で過ごせるように周りの人たちが考えて行動できるといいでしょう。