文部科学省が教員不足についての調査を初めて行い、教員が2065人足りないという実態が分かりました。
参考:朝日新聞
教員不足を証明する調査があったんだね。
今回の「教員が足りない」という調査について、初めて調査が行われたということに正直驚きです。学校現場はいつも深刻な人手不足になっています。
学校現場では管理職が人手不足に頭を悩ませるほど、まさに教員不足が学校の問題となっています。
この記事ではこんな疑問に答えます。
- 教員不足ってどれくらい教員が足りないの?
- 教員不足になっている原因ってなに?
- 教員不足が続くとどうなる?
教員不足について話題となったニュースを解説しつつ、勤続10年以上、勤務校3校以上の現役教員が学校現場の様子も合わせて紹介します。
学校現場で教員不足で苦しんでいる方、なぜ教員が不足しているのか知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
文部科学省による教員の不足数は2065人との発表<授業実施が困難な学校もあり>

全国公立の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の全教員数は83万人。
実態調査によると、小中高と特別支援合わせると、2065人の教員が足りないことが分かりました。
- 調査の対象の教師は83万人
- 配置予定の人数より実際の人数を比べると、2065人が不足していることが分かった
- 授業担当者がおらず、必要な授業ができない学校・・・中学校16校、高校5校
参考:FNNプライムオンライン
小学校、中学校別にみるとこんな感じです。
- 小学校979人不足
- 中学校722人不足
学校によっては教員不足による問題が起きている例があります。
- ある中学校で、4月初めに理科の先生が見つからずに4月は理科の授業が実施できなかった(広島市)
- 担任代わりの講師が見つからずに教務が担任を受け持つ
- 教員の欠員補充ができず、教頭先生が欠員の出た授業を受け持つ
いつも学校全体を動かしているので、担任業務をこなしながら学校全体を動かすのはかなりハードです。
教員が足りない原因とは<教員の若返りと採用倍率の低下>

教員の若返りと教員採用試験の倍率の低下が主な原因
今の学校現場には教員の団塊の世代と呼ばれるベテラン教員が多数存在します。
定年退職されるベテラン教員が多く、その代わりに20代の先生が学校に新しく配属されることが増えています。
教員の若返りが進むほど産休育休取得の先生が増える
若い先生が増えることは学校が活性化されて、エネルギーに溢れた先生が多くみえるようになるなどのいいことが増えます。
しかし、若い先生は育休産休にも入られる方もみえるため、そのための臨時的任用教員が必要となります。
教員採用試験の倍率低下
教員の多忙さや保護者からのクレームのきつさが問題になっていることなどから、教員の職が不人気になっています。
そのため、正規採用の先生が産休育休や療養休暇で欠員が出たときに、臨時的任用教員が見つからず、教員が不足する事態となります。
各自治体には教員人材バンクというような臨時的任用教員の登録をするところがあるが、すでに企業に就職してしまうなど、年度途中からの採用が難しいことがある。
また、臨時的任用教員が見つからないため、校長が教員OBに電話を何度もかけて臨時的任用教員を見つけようとするケースが多いが、すぐに見つかることの方が珍しい。
教員不足が学級崩壊につながる理由

教員の数が不足すると、教員一人ひとりの仕事の量が増えます。
- 学級担任
- 児童会主顧問
- 運動会音遊の中心指導者
- 野外宿泊学習の中心指導者
- 6年生を送る会の中心指導者
- 校内研究授業者2回
- 水泳部主顧問
と、多くの仕事を持つことがありました。
当時は教員に欠員が出ていることもあり、多くの仕事を僕が抱える結果となったと思います。
その時は学校全体の仕事が多く、学級はわりと落ち着いていたのですが、それでも理想のクラスとはほど遠く、子どもたちをもっと一人ひとり見てあげたかったという気持ちを当時はもっていました。
教員の数を増やすと学級の荒れが防ぐことが論文でも報告されています。
らに児童生徒支援加配はいじめの認知件数の増加に対して有効性を持つ可能性があることが示唆された。“
参考論文:教員加配の有効性について
教員が不足し、一人ひとりの教員の仕事が増えると、どうしても子どもに手が回らなくなり、学級に荒れが発生します。
教員が不足する⇒現場の教員一人ひとりの仕事が増える⇒子どもに手が回らなくなる⇒学級が荒れ始める⇒学級崩壊となる
学級の荒れが止まらなくなると、教員不足が元となって学級崩壊が起こります。
教員不足を深刻に受け止めて考える必要があります。
まとめ

朝日新聞によると、
文部科学省が教員不足による調査を初めて行い、教員が2065人足りないという現状が分かりました。
教員の不足が解消されれば、教員一人ひとりの仕事量が少なくなり、今よりもさらに子どもに行き届いた教育を行うことができます。
今後も教員不足に関する情報については関心をもっておくことが大切です。