教員定数が事実上、2022年度は3302人削減がされるとの報道がありました。
「小学校の教科担任制」や「35人学級の実現」が始まるものの教職員の定数は削減されると文部科学省から発表がありました。
この報道にはTwitterでも多くの教員が反応しています。
2022年度政府予算案
「教職員定数を3300人も削減」#教師のバトン#狂気のバトン pic.twitter.com/CQ0wWDDuuS— へしこ🌸 (@Heshiko2020) January 2, 2022
世間の皆様に知って欲しいこと第1位
様々な責任が全て学校に押し付けられるようになっている現状で仕事は減らされず、かつ精神疾患から病気休職する教員が5500人いるのにも関わらず、教職員定数が3300人減ること pic.twitter.com/Zsnyy6KfVO— べっき (@littlecyclamen) January 4, 2022
財務省が教育にはお金を使いたくないのがよくわかる。そうですよね。今の子ども達が大きくなる頃には自分達はもういないですものね。学校には人が足りていない、毎年欠員が欠員のままだと言っているのにこの大幅な削減はひどい。かつかつぎりぎりではなく1人2人抜けても大丈夫な定数にしてくださいよ pic.twitter.com/q4YPwsY6yX
— アイムフリー☺︎ (@TeacherhaGreat) January 3, 2022
小学校高学年の教科担任制や35人学級の実施が始まりますが、教職員の定数が削減されると学校現場はどうなるのでしょうか。
教員10年以上の経験があり、現在も現職の教員です。これまで学校現場で多くの問題に向き合ってきました。
教職員定数が削減されると学校現場はさらに忙しくなり、多忙によって学級崩壊するクラスが増加するのではと心配されます。
この記事では、
- 教職員の定数の削減が起きる理由
- 教職員定数の削減が学級崩壊につながる3つの理由
について解説していきます。
教職員の定数の削減は、学校現場に大きな負担をもたらします。
教職員の定数の削減による学校現場の影響や学級崩壊が起こる理由について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
教職員の定数の削減が起きる理由とは
教職員定数の削減の2つの理由はこちらです。
- 少子化や学校統合による削減
- 予算の見直し
少子化により自治体によっては学校統合が進んでいます。
それに合わせて教職員は、35人学級の実現や高学年の教科担任制導入で余剰人員が割り振られます。
しかし、それ以上に予算の削減があり、教職員定数が削減されています。
しかし、予算を回さずに教職員定数を削減することについては学校現場に良くない影響が出ます。
教職員定数が削減されると学校現場はどうなるか<荒れる>
学校現場で働いていると教員が足りていないことはよく感じます。
小学校では、担任が平日に体調不良を起こして休んだ時は、隣のクラスの先生が授業を行うことがあります。
また、管理職の先生が授業に入ることもありますが、管理職の先生にも学校の公務に関する仕事があるので、学校の仕事が回らなくなります。
先生が休むことができないほど忙しくなると子どもたちへの指導に足りない部分ができてしまい、それが積み重なると学級崩壊へとつながります。
教職員定数が削減すると学級崩壊につながる3つの理由とは
教職員定数が削減すると学級崩壊につながる3つの理由はこちら。
- 欠員不足が解消されない
- 教員の仕事の負担が増す
- 講師の増加
教職員の定数削減は、学級崩壊につながります。
欠員不足が解消されない
現在、学校現場では4月当初から管理職が担任を受け持つなど、人員不足が起きています。
今後、教科担任制や35人学級実施でさらに人員が必要となったとき、教職員が人員が足りなくなると学校の仕事が回らなくなります。
学校の仕事が回らなくなり、教員が多忙となると、子どもたちの声が教員に届きにくくなり、子どもたちも不満を持ち始めて学級崩壊が進みます。
教員の仕事の負担が増す
教員が安定した学級経営を行うには、教員が落ち着いて仕事に取り組めることが重要です。
先生がいつも切羽詰まっている状態だと、子どもの小さな変化に気づくことができず、子どもの気持ちを汲み取ってあげることが難しくなります。
先生が多忙な状態に追い込まれると、子どもの心の声を聴く時間が確保できず、子どもも不満がたまり、「先生が話を聞いてくれない」「先生が分かってくれない」と不満が高まっていきます。
講師の増加
現在の学校現場では、産休育休に入られる先生や長期の休養が必要になった先生が見えるなど、欠員が出た場合は、臨時の講師の先生が赴任するようになっています。
講師の先生は教員免許を持っていますが、多くの先生は、長い間担任の業務をしていない先生や教員採用試験に合格できなかった先生ばかりです。
正規職員でない先生が増えると、学校の仕事が分からない人が増え、学校全体の仕事や担任の仕事が進まず、学級が荒れるようになったりします。
教職員定数の削減が学級崩壊につながる<まとめ>
教職員の定数削減は、
- 教職員の業務負担の増加
- 教職員の人員不足の増加
により、学級崩壊の原因となります。
もちろん、教職員の定数が増加すればメリットがあります。
- 教員定数が増加すれば学級崩壊は修復される
- 学級崩壊の修復には教室の大人を増やすことが必要不可欠
学級崩壊が起きると、担任の先生だけでなくサポートする先生も必要となります。
学級崩壊が一度起きると立て直しにテクニックと力量が必要となります。
「学級崩壊の立て直し」について詳しく知りたい方は、別記事【学級を立て直す2つのポイントとは】をご覧ください。
教職員の定数削減が今後も続くと学級だけでなく学校全体が落ち着かなくなります。
今後も文科省や政府の動向に注目しましょう。