学級崩壊とは

【解説】小学校の高学年で起こる学級崩壊とは|現役11年の教員解説

小学校の高学年で学級崩壊が起きると、子どもは学級に不満を持ち、担任の先生も精神的にかなりきつくなります。

学校の先生
学校の先生
小学校の高学年で学級崩壊をしてしまった…。
どうしたらいいのだろう。
桜木きよ
桜木きよ
「小学校の高学年で学級崩壊した」という話はよく聞きます。

僕も一度学級崩壊を経験したことがあり、その当時も高学年の担任でした。

僕は学級崩壊を経験したもののなんとか乗り切り、今も現役の教員、3クラス以上の学年主任として勤めています。

高学年の学級崩壊は、子どもたちに知恵がついているので、担任の先生をいじめたり、かげ口を言ったり、保護者をうまく利用したりします。

桜木きよ
桜木きよ
当時、学級崩壊していた時も、「親に言えば先生に文句を言ってくれる。親、最強(笑)」と子どもが口にしていたことがあります。

学級崩壊中は担任の先生はかなりの精神的ダメージを受けます。

しかし、学級崩壊を乗り切る方法やさらなる悪化を防止する方法はあります。
この記事では、こんな疑問に答えます。

  • 高学年の学級崩壊ってどんな様子?
  • 小学校の高学年ではなぜ学級崩壊は起こるの?
  • 高学年で学級崩壊が起きたときの立て直し方を教えて

この記事では、僕の学級崩壊を乗り切った経験から、当時に学んだことを踏まえながら、学級崩壊の乗り切り方や予防法を解説します。

この記事を読めば、学級崩壊のストレスから解放され、担任が教室で笑顔で過ごす時間が増えようになると思うので、ぜひ最後までご覧ください。

小学校高学年の学級崩壊の様子とは<問題が悪循環>

小学校高学年の学級崩壊で悪循環
小学校の高学年での学級崩壊を簡単に言うとこんな感じです。

学級がうまく機能しない状態

高学年で学級崩壊が起こると、先生が声をかけても子どもは指示通りに動かない、無視をするといった行動をします。

学級崩壊中の高学年の様子を具体例を挙げるなら、こんな感じです。

  • 朝の会が時間通りに始まらない
  • 授業中に立ち歩きがある
  • 授業で子どもの私語が止まらない
  • 授業の間の休み時間はやりたい放題
  • 給食時間になっても当番が準備を始めない
  • 掃除の時間は誰も掃除をしていない
  • 帰りの会の後は猛ダッシュで帰える

学級崩壊が起こってしまうと、先生が叱るほど、子どもが逆ギレを起こしたり、さらに問題を起こしたりと悪循環になると手が付けられなくなります。

問題を起こす子どもの保護者に連絡をしても、保護者は学校の責任や指導の仕方を問題とするようになり、子どもが自分の行動になりふり構わなくなります。

高学年で学級崩壊しているときの子どもってどんな様子?<子どもが3パターンに分かれる>

小学校高学年の子ども
学級崩壊が起こっても、子どもが35人いたら35人全員が荒れるわけではない

学級崩壊が起きても、きちんと自分を律して、真面目に授業や学校生活に取り組もうとする子はいます。
実際に学級崩壊が起こると、子どもたちは3つのパターンに分かれます。

  • きちんと授業を真面目に受ける子
  • 何もなければおとなしいが、何かあると流される子
  • 集団行動ができない、先生に反発する子

小学校の高学年で学級崩壊が起こると、多くの子どもが先生の言うことを聞かなくなるようになりますが、それでも一部の子どもたちはきちんと授業を受けようとします。

桜木きよ
桜木きよ
高学年で学級崩壊をしていても、きちんと授業を受けている子は読書をして過ごす子が多いです。

読書は子どもの内面性を育てるので、読書を多くする子は周りの意見に流されにくくなります。

また、学級崩壊をしていると、その場の雰囲気で行動してしまう子どもが多く現れ、考えなしに席を立ってしまったり、授業中でもおしゃべりをしてしまったりする子が見られるようになります。

そして、どんなに指導をしてもすぐに変わらない子どもも一定数います。

そういった指導をしてもすぐに変わらない子が引き金となって学級でトラブルを起き、周りの子が混乱に乗じて学級を荒らすことがあります。

小学校の高学年でなぜ学級崩壊が起こるのか?<理由は3つ>

小学校高学年の学級崩壊の原因
小学校の高学年の学級崩壊が起こる3つの理由はこちら。

  • 日々のストレス
  • 親からの期待
  • 担任の力量不足

日々のストレス

子どもたちは、日々の生活で何かしらストレスを受けています。

ストレスは成長のためにある程度は必要です。しかし、そのストレスが過度になると、子どもたちはいつもイライラした状態となってしまいます。

桜木きよ
桜木きよ
特に小学校の高学年は、思春期ということもあり、いろいろなことに敏感になっています。

子どもたちの中には、思春期による体の変化のため、何かとイライラしやすい傾向があります。

先生や親の何気ない一言でカッとなってしまうなど、感情的に反応してしまうことがあります。

親からの期待

小学校の高学年になると、子どもたちの中には親からの大きな期待を受ける子があらわれます。

スイミングで上位の大会を目指す子、中学校受験で勉強に結果を残さないといけない子など、これまでの小学校の集大成を親から求められる子がいます。

6年間の積み上げを発揮しないといけないという焦りから、小学校高学年になると習い事や塾では集中して、学校ではだらだらと過ごすという子もあらわれます。

担任の力量不足

学校の先生からすると悲しいことですが、担任の力量不足によって学級崩壊が起こることがあります。

  • 教員としての経験が浅い先生
  • 高学年を受け持つのが初めての先生
  • 授業や行事の準備がいつも間に合わない先生
  • 子どもに厳しすぎる先生
  • 子どもを甘やかしすぎる先生

最近、教員のブラック労働が問題となり、学校の先生たちは多くの仕事に追われ、子どもたちに対して余裕をもって接することが難しい場面があります。

教員の経験不足や準備不足によって、授業や学級経営がうまくいかず、学級が荒れることがあります。

特に、教員が多忙になると、子どもの前で笑顔で接することができず、けわしい顔ばかりしていると、子どもたちもけわしい表情になっていき、学級の雰囲気が重くなっていくので、注意が必要です。

桜木きよ
桜木きよ
次は小学校高学年の学級崩壊の立て直し方について解説します。

小学校高学年で学級崩壊が起きた時の立て直し方<授業で育てる>

小学校高学年の立て直し
小学校高学年で学級崩壊が起きた時、いちばん効果的なのはこちら。

授業で立て直す。

子どもが学校で過ごす時間の多くは授業の時間です。
授業の時間が充実すれば、学級の時間が充実することになります。

学校の先生
学校の先生
授業の時間を充実させると言うのは簡単だけど、実際にするのは難しいんだよなぁ…。
桜木きよ
桜木きよ
教員がかんたんに授業を充実させる方法を紹介します。
教員が授業を充実させる方法とは
  • 子ども目線で教科書の問題を解いてみる
  • 教員が教材研究に力入れて、教科書の問題に載っていない知識を身につける
  • 教員の話し方のテクニックを学ぶ
桜木きよ
桜木きよ
一つずつ解説していきますね。

子ども目線で教科書の問題を解いてみる

教科書の問題を子どもになったつもりで解いてみる

毎日、教員が授業をしていると、教科書を見る時に指導者目線になりやすく、「これぐらいなら子どもでも分かるだろう」「これならすぐにできてしまうだろう」と大人の目線で問題を見るようになり、だんだん実際の子どもたちの学力レベルとの違いができてしまいます。

もし、高学年での学級崩壊を立て直すために授業を充実させるなら、一度、授業をする先生が子どもになったつもりで教科書の問題を解いてみましょう。

子どもになったつもりで教科書の問題に取り組むと、「あぁ意外にここの問題は難しいなぁ。」「ここは結構時間がかかるな」といったように、子どもがつまずきそうな場面を事前につかむことができるので、充実した授業を作ることができるようになります。

教員が教材研究に力入れて、教科書の問題に載っていない知識を身につける

子どもたちはYouTubeやネット、塾で教科書よりも詳しい情報に触れている

教員が教科書通りの授業をしても子どもたちは興味がわかないことがあります。

教科書通りの授業を進めていくと学級崩壊が悪化する可能性があります。

YouTubeやネットに情報があふれている

子どもの興味がわかない理由の1つとして、YouTubeやネットの話に慣れてしまっていることが挙げられます。

子どもたちはYouTubeの早口なしゃべり方に聞き慣れていることがあり、テンポの良くない授業だと子どもたちが飽きてしまうことがあります。

また、YouTubeやネットの情報は年々詳しくなっていて、教科書よりも詳しくおもしろく分かりやすく伝える工夫がされています。

塾通いの小学生高学年が増えている

子どもの興味がわかないもう1つの理由として、最近は小学生でも塾に通う子が多く、高学年になるとさらに塾通いの子が増えます。

ほとんどの塾では学校の学習進度よりも早く学習を進めることが多いので、塾で習った子たちにとっては、教科書通りの授業には飽きてしまうことがあります。

桜木きよ
桜木きよ
教科書に載っている言葉を、学校の先生がネットやYouTubeで深堀して調べてみるだけでも、授業はかなり充実したものになると思います。

YouTubeなら10分程度の動画でポイントをまとめて知ることができるので、通勤前の空いた時間にラジオ感覚で聞くことができます。

教員の話し方のテクニックを学ぶ

子どもたちが好感をもてる話し方をすれば先生の話を聞くようになる

教員の話し方のテクニックで子どもたちが話を聞くようになれば授業が充実します。

魅力的な話し方ができると、興味をもって子どもが教員の話を聞くようになり、学級崩壊の悪化を防ぐことができます。

桜木きよ
桜木きよ
教師の仕事術を解説する森川先生の「教師人生を変える! 話し方の技術」をもとに、話し方のテクニックを紹介します。
教師の話し方のテクニック
  • テンポをよくする
  • 音程に高低をつける
  • 間をとる
  • 大きさに変化をつける
  • 音色を変える

テンポをよくする

かけ足のように速く話す場面とゆっくり話す場面で変化をつけましょう。

音程に高低をつける

普段はちょっと高めの声で発声し、大事なところは低めで発声すると変化がつきます。

間をとる

話の途中にためを作ることで、子どもの興味を引きます。

大きさに変化をつける

教員が伝えたい大切なところはあえて声を小さくすると、子どもの興味を引きます

音色を変える

男性の声、女性の声、子どもの声など、教員が声の音色を何種類か使い分けられると表現の幅が広がります。

桜木きよ
桜木きよ
学級崩壊の立て直し方について、さらに詳しく知りたい方は、関連記事「【学級崩壊の立て直し方法を解説】学級を立て直す2つのポイントとは」をご覧ください。

小学校の高学年で起こる学級崩壊まとめ

小学校高学年の学級崩壊まとめ
小学校高学年の学級崩壊解決の第一歩は、教員が子どもに対して大人になることから。

子どもたちがいくら小学生と言っても、高学年になると、子どもたちは知恵がついてきて、うまく先生に怒られないようにしたり、サボってもバレないようにしたりします。

それでも先生が問題点を見つけて叱っても、高学年になれば子どもが反論したり、指示に従わない行動を取ったりします。

桜木きよ
桜木きよ
小学校の高学年となれば反抗期に入る子がいるので、ちょっとした反抗は成長の証だと言えます。

小学校の高学年で学級崩壊を取り扱うには、教員が子どもよりも何段階も大人になって対応する必要があります。

若手教員にありがちなのが、指導しているつもりが、先生が子どもと話が同レベルになって喧嘩してまう事態です。

「小学生だからある程度は目をつぶることにしよう」というくらいの気持ちで、子どもに余裕をもつことが大切です。

子どもと接するときに、先生が余裕をもつことで、小学校の高学年の学級崩壊は少しずつ改善されていきます。

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