学級崩壊が起こるには4つの理由があります。
- 担任の力量不足
- 家庭環境
- 複数の理由が合わさっている
- 問題のすり替わり
学級崩壊をするのには何かしらの理由があります。
現在は小学校の学年主任を務めています。学年主任として学級を見ることが多いのですが、残念ながら学級崩壊をしている学級を見かけることがあります。
この記事では、こんな疑問に答えます。
学校現場でいくつもの学級を見ていると、学級崩壊する理由が4つにしぼられます。
学級崩壊をしている理由を見つけることができれば、学級崩壊を解決する糸口をつかんだことになります。
この記事を読めば、学級崩壊をする理由が分かり、解決するための対処法も分かると思うので、ぜひ最後までご覧ください。
学級崩壊する理由①担任の力量不足
荒れていた学級が、ある先生の授業のときだけ落ち着いて授業をすることがあります。
学級が荒れると、子どもたちは先生によって態度を変えることがあるので、担任の力量が不足していると学級崩壊が起こります。
担任の力量不足はいろんな理由が挙げられます。
担任の力量不足6パターン
- 教員としての経験が少ない担任
- これまでの質の良い学級ばかりみてきた担任
- これまでの経験だけに頼る担任
- 授業がうまくできない担任
- 保護者との関係がうまく作れない担任
- 叱ることばかり褒めることのない担任
このほかにも担任の力量不足があるかもしれませんが、担任の力量不足によって学級崩壊が起きてしまうことは当然ありえます。
担任はいろんな失敗をして、一人前の教師となっていきます。
担任自身がどこか自分に欠けているものに気付かないで、これまでの経験や自分はやれるという自信だけで学級経営をしていると学級崩壊が起こるのです。
学級崩壊する理由②家庭環境
子どもの家庭環境が多様化しているため、子どもによって家庭の事情が異なり、学級が落ち着かなくなります。
下のように、子どもの家庭環境は様々です。
- 親が子育てに熱心な家庭
- 子どもの自由を大切にしてのびのびと育てる家庭
- 仕事が忙しく子どものことは放任ぎみな家庭
- シングル親の家庭
- 祖父母が子どもの面倒をみている家庭
- 家中にごみが散乱している家庭
家庭環境が多様化しているので、親の価値観も多様化しています。
家庭によって考え方が変わるので、子どもの考え方もいろいろな考え方がでて、集団行動が難しくなります。
学校は集団行動の中で生活しているので、子どもの考え方がさまざまでまとまらないと、学級が落ち着かなくなります。
学級崩壊する理由③いくつもの理由が合わさる
学年が上がるほど、教室の子どもたちの様子は学級担任だけでなく、いろんな先生の影響を受けます。
A先生の授業はうまくいっているけど、B先生の授業はうまくいっていない状態が続くと、子どもたちの中で授業のルールが崩れ始めていきます。
先生によって授業のルールが変わるときは下の例のような違いがあります。
- 授業中に席を立ってはいけない
- となりの人と話してはいけない
- 発言する時は手をあげる
- 板書はすべてノートに書かなくてはならない
- 授業で教え合いの時間は席を立ってもよい
- わからないことがあれば、席のとなりの人に聞く
- 発言する時は自由発言なので挙手をしなくてよい
- 板書は必要なことだけをノートに書けばよい
上の2つのように、どちらの授業が良いということではなく、先生によって授業がルールが変わることはよくあります。
子どもたちがルールを理解して、授業する先生によって使い分けることができれば学級崩壊はしないです。
しかし、子どもたちが授業のルールをしっかりと理解できていないくて、B先生の授業のルールをA先生の授業に、子どもが勝手に適用するとA先生の授業がやりづらくなります。
学級崩壊する理由④問題のすり替わり
子どもによって差はありますが、子どもはストレスをもつことがあります。
- 親との関係がうまくいっていない
- 習い事が忙しく疲れている
- 集団行動が苦手
- 友達とうまくいっていない
こういったストレスをもつ子が増えると、教員が何かミスをしたときなどに荒れることがあります。
-
- ストレスの少ない子どもたち⇒教員のミスや表現の間違いを適切に受け止める
- ストレスの多い子どもたち⇒教員のミスや表現の間違いを受け止めることができず、ざわつく
子どものストレスをぶつけるはけ口が担任となってしまうと、担任のちょっとしたミスで学級が荒れてしまいます。
始めは良好な関係を築くことができても、子どもたちがもともとストレスを多くかかえていると、担任は子どもの不満をすべて解消できるわけではないので、次第に担任への不満も高まってしまいます。
学級崩壊が起きてしまった時の対処法
以上の理由に基づく、4つの学級崩壊の立て直し方について紹介します。
学級崩壊の立て直し方法はこちら。
- 先人の知恵や力を借りる/li>
- 保護者の考えの理解に努める
- 管理職のサポートを受ける
- 子どもへの要求レベルを下げる
先人の知恵や力を借りる
担任は一人ひとり経験年数や力量に差があります。力を出せないときに、周りの知恵や力を借りるのも大切な担任としての能力です。
- 管理職やベテラン先生に授業のサポートに入ってもらう
- 教育に関する書物を読む
- ベテラン先生の授業を見に行く
- 教材研究をする
学級崩壊や学級経営、授業に関する書物はたくさん出版されています。
本を読んで教員としての力量を高めてみてください。
もちろん、現場の先生から学べることも多いはず。ベテラン先生にお願いして、授業を見させてもらいましょう。
学級崩壊に関する書籍についてさらに詳しく知りたい方は別記事「学級崩壊したときに必ず読みたい本・書籍10選【実話あり】」をご覧ください。
保護者の考えの理解に努める
担任が子どもに指導をすることは日常茶飯事です。
しかし、担任が指導をしたときに、子どもがどう思ったか、保護者はどう思ったのかまでは踏み込まずに、担任からの指導だけで終わってしまうことがあります。
できる先生は、指導した後に必ずその子にフォローをしているはずです。
また、もっとできる先生は、保護者に「①学校であった出来事②指導した内容③出来事や指導の内容について保護者はどう思うか」を家庭連絡しています。
保護者には保護者の思いがあります。学校や先生に指導に不満をもたないように、保護者の思いも担任として聞いてみてください。
そのような時に担任は「明日学校でフォローしておきます」と伝えて、次に生かしてみてください。
管理職のサポートを受ける
授業や学級が落ち着かなく学校が荒れると管理職の責任となります。
授業が落ち着かないことを管理職は心配しているので、どんなサポートが欲しいのか具体的に伝えましょう。
管理職にサポートを求める具体的な例
- 担任外の先生の授業で子どもが落ち着かないので、管理職に授業を見に行ってほしい
- 担任外の先生が子どもとの信頼関係ができていないようなので気にかけてほしい
- 給食の配膳がいつも間に合わないので解決するまでサポートに来てほしい
- 放課に教員が見ていないところで悪さをするので気にして見に来てほしい
繰り返しになりますが、学級が荒れて監督するのは管理職の責任となります。
もし、困っていることがあれば管理職に相談してみましょう。
仮に、管理職に相談しにくい状況であるならば、周りの主任の先生や先輩先生に相談してみるのも一つの手です。
子どもへの要求レベルを下げる
一人ひとりストレスや悩みを抱えている子が多い学級は、担任の要求についていけないことがあります。
担任がこれまでの経験上で「やれるだろう」と思っていたことが、子どもたちのストレスや悩みが多いと、学級に不満をもつようになります。
子どもたちのストレスや悩みの原因は、習い事や家庭などの学校ではないところにあることがあるので、子どもたちの実態に合わせて、担任は学級の理想を調整することで学級を立て直すことができます。
学級崩壊の立て直しについて詳しく知りたい方は別記事「【学級崩壊の立て直し方法を解説】学級を立て直す2つのポイントとは」をご覧ください。
学級崩壊が起こる理由まとめ
学級崩壊が起こる4つの理由はこちらです。
- 担任の力量不足
- 家庭環境
- 複数の理由が合わさっている
- 問題のすり替わり
これまで10年以上教員を続けて、いくつもの現場を見てきて思うことは、崩壊をする学級には何かしらの理由があるということです。
しかし、どんな理由で学級崩壊をしているのかを一言で表すことは難しいことです。
学級経営は人間同士のことなので、担任の思いと子どもとの思いが合う合わないも起こります。
学級崩壊しかけているときや学級崩壊となっているときは、ぜひこの記事を見返して客観的に担任する学級を見直してみてください。
学級を客観的に見ることで学級をする理由がみえてくると思います。
この記事では、学級崩壊の立て直しについていくつか紹介しています。
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